難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

油断大敵

日課の音読、引き続き小林秀雄『モオツァルト・無常という事』を読んでいるけど、「西行」あたりから古文の引用をスラスラ読めなくて、今日「蘇我馬子の墓」で心折れてしまった。ので黙読で片付けた。でもここから先は美術の話なので、なんとかいけそうかも。次も小林を使うなら『近代絵画』にしようかな。

 

夕飯前、まったり本を読む。黒田龍之助『外国語の水曜日』黒田先生の文章は楽しい。外国語の魅力をこんなにも軽妙な筆致で伝えられるの、理想だなあ。第三章の「学習法としての言語学入門」はもっと早くに読んでおきたかった。言語学ってどういうものなの?という人に薦めたい。

 

そして、外国語学習を続けていながらも、いつまで経っても進歩なく半端な私を励ましてくれる、希望の光のような一文が見つけられた。

どうせ完璧なんて無理なんだから、中途半端でも構わないじゃない?そんなに目くじら立てないで、楽しく勉強しようよ。べつになにかに追いかけられているわけではないし。そう、外国語ができなくたって、死ぬわけじゃないでしょ。

 わたしはそういういい加減な人間なのである。でも、おかげさまで外国語をここまでやめずにきました。外国語の学習はキッチリやることが王道である。でもいい加減な人間にはまたそれなりの方法があるんじゃないかと考えている。

 いまでもわたしは、諦め悪く、いくつかの外国語をやめないでいる。

いいこと書くなあ~~。比叡山の法灯みたいに、灯し続けることが大事だよね。

「外国語学習にとって最も大切なこと、それはやめないことである」この言葉がもう絶好の油です。