難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

会話?

昼食のお弁当買いに出たら、移動古本屋を見かけたので立ち寄ってみた。こういう移動販売車みたいなのやってる人、話しかけてくるイメージあるから、ちょっと怖い。

近所にお弁当買いに出るくらいのモードで出てるから、人間と話せる状態になりきれていない。でも本は見たい。

 

そろーっと近づいていって、とりあえず手前に並べてある本を物色する。

「こんちは。海外文学好きなんですか?」さっそく話しかけられる。というかこのゾーン、海外文学で並べてあるのか。手前にあったから見てるだけなんだけど。判断するの早すぎないか。とかなんとか考えてる場合じゃなくて、早く返事しないと。そーなんすよとかなんとかテキトーに言っとけばいいか。いや、でも海外文学そんなに読むわけじゃないしな。これが好きですってジャンルなんだろうな。えーーーっと。

 

「あー、外国語とか好きですかね、はい」

やらかした!!違うんよ、言語とか、語学のっていうべきだったのに、間違えた!ざっくりしすぎ。「外国語」じゃよくわからんぞ。店員さんも「へー、そーなんすね」って感じで、引っ込んで在庫の整理的なの始めちゃったよ。まあ、それはそれでいいか。ゆっくり本見れるし。

 

しばらく本を見ていたら、おばちゃんが車に近づいてきた。おばちゃんは強い。いきなりガンガン話しかける。古本も移動販売があるのね、私はこれこれこういう本が好きで、あーでもあんまり古本は買わないのよ、色褪せてたりボロっちいの嫌だから…みたいなことを話すだけ話して、たいして本も見ずに立ち去った。おばちゃんは強い。

 

なんかこうなると、私は買わなくちゃいけないような、そんな雰囲気になってくる。いや、別にそんなことはないんだろうけど、なんかね。

うわ欲しい!って本はなかった。けど、とりあえずこれ買っといてもいいか、ってやつ選ぶ。それがたまたまソクラテスに関する本とか、ニーチェだったりしたので、会計の時に「哲学系のけっこう読まれるんですね」ときてしまった。ひええ!哲学そんな知らんです!竹山道雄訳だったからなんとなく『善悪の彼岸』手に取っただけとか、そんなんです全部。あと安かったから。

「あ、いや、全然触れてこなかったから読もうかなと思いまして、あはは」って言ったら「ならそれ、どれもおもしろいですよ。いい本です」と返してくれた。ありがとな、読みやすぜ。

 

こういう状況での店員さんとの会話、苦手すぎる。別にアレコレ考える必要ないんだろうけど。テキトー言って詰められるわけでもないんだから「そーなんすよ、海外文学好きで」とか「あー哲学けっこう読みます」でいいのに。下手くそすぎる。まあいっか。