ブルゴーニュといえば、まず思い浮かぶのはワインだが、同じくらい有名なものに tuile vernissée がある。
tuile チュイールは瓦のこと。ルーブル美術館の隣にあるチュイルリー公園(Jardin des Tuileries)の名は、むかし瓦を製造する工場(tuilerie)があったことに由来する。
vernissé ヴェルニセは「釉のかかった」「つやのある、光沢のある」という意味の形容詞。釉のことを vernis と言い、動詞 vernisser は陶器などに釉をかけることを意味する。
美しいモザイク屋根で知られるオテル・デュー(Hôtel-Dieu de Beaune)は、15世紀に建造された施療院。貧困と飢餓で苦しむ人々のために、無料で医療を施した。ワインの売上を施設の運営費に回していたという、なんともブルゴーニュらしい話もある。
tuile vernissée の製造は14世紀に始まり、権力と名声の象徴となっていった。
かつてのブルゴーニュの栄華は、いまでも色鮮やかに残っている。