難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

2022-01-01から1年間の記事一覧

20221231

2022年が終わろうとしている。大きな変革の年だった。 初旬はなかなか精神的に弱っていた。そんな中よく聴いたのが、羊文学『光るとき』 羊文学『光るとき』 - 難聴亭日乗 アニメ『平家物語』の主題歌だった。「最終回のストーリーは初めから決まっていたと…

しばらく書かないうちに、冬が本格化してきている。こういう季節だからだろうか、どうしようもなく不安定な毎日を過ごしている。楽しいこともあるのだけど、やはり物事を真剣に見つめていくと、辛く苦しい思いは避けられない。 これまで隙間にねじ込んで片付…

会話

今月いちばん緊張することが終わった。結果は惨憺たるものだったけれども、やってみて良かったなとは思っている。友人たちが集まってくれたのも心強かった。 知らない人たちに混ざって喋るのは、立ち飲み屋さんでかなり慣れているつもりだった。しかし先日は…

諸聖人よ

10月は怒濤のごとく過ぎていった。しばらくは頭の中がぐるぐるなっていたので(そういえば『青天を衝け』で栄一が人生の転機に直面する度「ぐるぐるする」と言っていた)、何か書こうにも上手く纏まらなかった。 最近は生田耕作『ダンディズム 栄光と悲惨』…

青樹の梢

高校生の頃を思い出している。陰鬱な時期であった。あまり学校には行っていない。中学時代の友人とは未だに会うが、高校の同級生とは繋がりがない。 よく本を読むようになった。詩や哲学、近代文学にハマり始めた。思春期あるあるだなあと思う。生きるとか死…

氷る

昨夜、歩きながら考えごとをしていたら、知らぬ間に二時間ほど経っていた。散歩と思索は相性がよい。アリストテレスの逍遥学派を思い出す。 リュケイオンはフランス語 lycée「高校」の語源にもなっている。そぞろ歩いて講義はしないだろうけど。 長袖一枚だ…

予期せぬ

新しく始まった朝ドラ『舞いあがれ!』見たさに、最近は早起きである。一週目からボロボロ泣いた。 今朝は、続く『あさイチ』に柿澤勇人さんが出ていた。大河『鎌倉殿の13人』で源実朝を見事に演じている。元は劇団四季の人だったんだな。 午前中に色々片付…

うご

めちゃくちゃ朝早く起きてしまったので、動画見たり音楽聴いたり本読んだりした。時間がたくさんあるように感じる。やらなきゃいけないこともほぼほぼ終わって、夜の時間がぽっかり空いた。素晴らしい。 西永良成『ヴィクトール・ユゴー 言葉と権力』読む。…

金雀児

少し散歩してきた。夕食でマクドナルドを呼び寄せてしまったから。罪深き行いだ。 外が涼しい。しばらく歩いても汗をかかない。ひんやりした風が気持ちいい。いつもは音楽を聴きながら歩くが、今日は虫の音がちょうど良かった。 こういう冷涼な空気に触れる…

颱風一過

飲みに行きたい気分のときに飲みに出られないとモヤモヤがすごい。家飲みじゃダメなんだ。お酒が欲しいわけじゃなくて酒場に行きたいんだ。ナウマン象みたいな名前の台風のせいで、よく行く店がどこも閉まっていた。 雨は歇んでいたので、散歩がてら繁華街に…

真剣n十代

人前で話すのは難しい。先日、人前というか数人の視聴者がいる配信で話したのだけど、不正確、不適格な発言は避けなければ、と考えると、ウンウン首肯いたり無難な返答しかできなかった。 喋るのが好きなので、何かそういう配信できれば面白いなと考えていた…

怠業

夏目漱石を読んでいると「退儀」という言葉がでてきた。「身体を拭くさえ退儀だから、いい加減にして、濡れたまま上って、風呂場の戸を内から開けると、又驚かされた」(『草枕』新潮文庫p42)みたいな感じで。 私の地元でも「たいぎい」をよく使う。面倒く…

妖怪人間

行きつけの立ち飲み屋さんのお母さんに本を頼まれたので買いに行った。芥川の『羅生門・鼻』と、漱石の『文鳥・夢十夜』(どちらも新潮文庫)。お客さんと本の話をしていて、久しぶりに読みたくなったらしい。 最近は文庫本でも1000円近くするものが多い。で…

去るの話

ここ数日は暑さも少しマシである。でも、驟雨に襲われてげんなりすることもしばしば。東南アジアかよ。行ったことないけど。 『モオツァルト・無常という事』音読し終えた。次は『近代絵画』にしようかと前に書いたが、小林以外にしてもいいかなと考え中。 …

油断大敵

日課の音読、引き続き小林秀雄『モオツァルト・無常という事』を読んでいるけど、「西行」あたりから古文の引用をスラスラ読めなくて、今日「蘇我馬子の墓」で心折れてしまった。ので黙読で片付けた。でもここから先は美術の話なので、なんとかいけそうかも…

ラクダの話

この前、友人がラクダのTシャツを着ていて、それが一瘤だったので「dromadaire だなあ」と思い、フランス語ではラクダは瘤の数の違いで呼び名が違うという話をした。 一瘤だと dromadaire で、二瘤だと chameau になる。*1前者は足が速くて、後者は体が丈夫…

二匹目のネズミ

読みかじって得た知識をふんわり披露していたら、専門家が居てボコボコにやられたの巻。その道を歩み続けてきた人はやっぱり凄い。私も「これは人より詳しい」という分野があればいいのだけど、全て中途半端だ。己の不勉強を思い知った。 「続ける」といえば…

ウォーキングちょっと

最近、用事がない限り外に出ないので、運動不足である。なので夕食後に散歩に出かけた。日が沈んでも暑い。一年で最も嫌いな月だ。さっさと過ぎ去ってほしい。 久しぶりに某ックオフで色々漁る。閉店まで一時間しかなかったので、CDと文庫本の一部しか見られ…

無題

ぼんやりと一日を過ごした。落ち込み気味である。買い物に出かけるが、買うものが浮かばない。とりあえず牛乳を手にとって、そこからまた浮かばない。うろうろする。売り場を往復しながら、ぼーっと考え事をする。 こういうときはたいてい、中原中也の詩を思…

アタラクシア

「自分はこう思う」とはっきり主張しておいて、後になって「嫌われてたらどうしよう」と悩むのはバカげている。という結論に至った。一昨日の夜から、これでものすごく悩んでいたのである。 お気に入りを並べている本棚から澁澤龍彦『快楽主義の哲学』を取り…

脱凡

エレベーターにでっかい虫が這入りこんでいた。どうにか飛び立たせようと外から奮闘したものの、まったく出て行ってくれなかった。上下させると気持ち悪くなるんじゃないかなと思って、何回も最上階に送っては一階へ戻しとやってみたけど、全然効かない。結…

お夜食はラーメン

気分をどんよりさせる湿度も少しはマシになってきて、いよいよ夏だなというこの頃。 セミも鳴き始めた。うるさいし、飛んでくると怖いので好きではないのだけど、フランスではセミ cigale は幸運の象徴らしい。主に南仏でしか見られないそうで、おみやげ品も…

記憶の町並

近所のスーパーへの近道に使っている、車一台通れるかくらいの細い道を行くと、昭和の面影残した古い家があった。昭和を知らないけど、まあそんな感じの家だ。 この家の敷地と道路ギリギリのところに、おじいさんが座っていた。お菓子やらパンやらヨーグルト…

待ってまった

夏が本気出してきた、と思ったがまだ六月であった。あと三ヶ月近くも暑い季節が続くなんて、考えただけで気が滅入る。 外はモワモワと鬱陶しい湿気。冷房つけて室内で過ごすに限る。 最近また数学に関する本を読んでいる。「関する本」なので、予備知識はあ…

非イビピーオ的な話

岡潔は「宗教について」という文で、太平洋戦争が始まったとき、日本は滅びると思った、と書いている。そうして戦時中はずっと研究の中に、理性の世界に閉じこもって暮らしたと。 しかし戦争に負けても、国は滅びなかった。その代わりに、人の心はすさみ果て…

食い改めよ

コンピューター将棋の映画『AWAKE』見たんだけど、吉沢亮あるある早く言いたい。役名えいいちがち。 それはまあどうでもよくて、玉ねぎとピーマンとウインナーを炒めてケチャップ絡めるだけなので簡単だ、と思って作ったナポリタンが全然おいしくできなくて…

面白い人

「俺って面白いでしょ」みたいな感じビンビンに出してくる人が苦手だとわかった。めんどくさすぎる。 つまらないボケを連発してきて、死ぬほど面倒なので「アハハー」とか愛想笑いしたら、「いやいやーちゃんとツッコんでくれないとさ、笑いがわかってないな…

旅情

白水社『ふらんす』の六月号が届いていたのを忘れて、机に置きっぱなしだった。特集記事は「パリ夜行列車の旅」、ちょろっと読んでみる。 安価な夜行バスやLCCの台頭により、すっかり時代遅れの乗り物となり、僅か残る路線で細々と運行されていた夜行列車。…

雨靴がほしい

五月の終わり。思い浮かぶのはアヤメ。初夏を、そして雨の季節を告げる花。この時期になると、部屋の掃除しなきゃとなる。 半袖になるタイミングも計っている。いまの段階で半袖になってしまったら、真夏はどうするんだと考えると、まだ先かな。 季節真逆だ…

傷と運命

誰かの良いところを見つけるのに悦びを感じる。それは、つまるところ自己評価がめちゃくちゃ低いからかもしれない。 あの人にもこの人にもこんな良いところがある。だからきっと自分にも、って感じで、縋る思いで探しているっぽい。 別に自分のことは嫌いで…