難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

去るの話

ここ数日は暑さも少しマシである。でも、驟雨に襲われてげんなりすることもしばしば。東南アジアかよ。行ったことないけど。

 

『モオツァルト・無常という事』音読し終えた。次は『近代絵画』にしようかと前に書いたが、小林以外にしてもいいかなと考え中。

 

 

ウィリアム・フォン・ヒッペル『われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか』を読む。進化心理学、かなり面白い。

 

熱帯雨林からサバンナへ「社会的跳躍」をしたわれわれ人類。外敵から身を守るため、生き残るために「協力」するようになる。そこで問題となったのがフリーライダー、つまり「ただ乗り」する者。いつの時代も居るんだな、面倒な作業はサボって、利益だけ共有しようとするやつ。

そんなフリーライダーに対する処置として「追放」が為された。アマゾンの原住民の話でもよく聞く話。彼らにとってコミュニティーから追放されるのは死に等しい。

 

なんとなく現代では、フリーライダーに対処しきれていない場面が多い気がする。「追放」が為されるほど、コミュニティーが鞏固に構成できていないのかもしれない。無抵抗の弱者は簡単に除け者にするのに。

もし現代人がサバンナにタイムスリップしたら、協力して獲物を仕留めたり、敵から身を守ったりも出来ずに死に絶える… なんてこともあり得るかもなと思った。

 

チンパンジーは協力よりも競争する傾向のほうが強い」とあった。示唆に富んでいる。