難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

Y嗄

読書したり、音楽聴いたり、買い物行ったり、ドラマ見たりした一日。

昨日のカレー食べた。一段と美味しくなっている。一晩置くとジャガイモに含まれるデンプンが溶け出してカレーにとろみをつけ、粘度が高まって舌の上に残りやすくなるから味を強く感じられるようになり美味しく感じる*1のだそうだ。ちなみに野菜は大きめゴロゴロのカレーが好き。

 

宮嶋勲『ワインを楽しむ本』読んだ。

 

めんどくさいあれこれ抜きでワイン楽しもうよ!って本。どっちかというとワイン初心者が手にするよりは、気軽にワインを楽しめる仲間が欲しいけどなんか難しいお酒のイメージ持たれちゃってるしどう勧めていいかわからないって人向けな気がする。私が完全にそれなので非常に助かる。

秀逸な例がいっぱい出てきて楽しい。「教養を捨てよ!」な感じの本なのに、著者の教養が溢れ出ちゃってるのもおもしろい。

 

 創造した人間が、必ずしも自分の作品の優れた評価者、解釈者とも限らない。

 典型的な例は、作曲家が自分で指揮やピアノ演奏をした場合である。ストラヴィンスキー自身の指揮による『春の祭典』や『火の鳥』の自作自演の録音が残っているが、非常に淡々とした演奏で、これが本来の形なのかもしれないが、ブーレーズ指揮による、よりメリハリの利いた演奏を好む愛好家も多いだろう。スクリャービンの自作自演よりも、ホロヴィッツの華麗な演奏を好む人も多いと思う。創造者が必ずしも最高の評価者でないことは認識する必要がある。

 

こういうのが音楽、美術、映画、スポーツ様々な角度からポンポン飛び出してくる。「うげげ〜〜ウンチクおじさんだ〜〜」という嫌さがあまりなくいい塩梅なのがすごい。文章がシュッとしてるんだな。

 

著者は「幸せな時間を与えてくれるのが最高のワイン」と言っている。楽しみ方は人それぞれ。自分のやり方で楽しむ。価格も評価も関係ない。めちゃくちゃ単純で、めちゃくちゃ大事なことだ。

ワイン飲みたくなってきた。単純なので。

*1:稲垣栄洋『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか』