難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

2019-01-01から1年間の記事一覧

パンとワイン

baragouin とは「わけのわからない言葉,不可解な言語」を意味する男性名詞である。 その由来には議論の余地があるが、おそらくブルトン語の bara と gwin から来ている。 それぞれフランス語だと pain と vin になるのだが、その差違をからかってできた単語…

白の話

フランス語 couleur は、ラテン語 color から来ている。色を意味するこの単語は、celare という動詞と関係している。これは「隠す」ことを意味する。 あまり使わないが、フランス語 celer「〈意図・感情など〉を隠す」はこの動詞から。 そんな隠された色の世…

神の館の瓦屋根

ブルゴーニュといえば、まず思い浮かぶのはワインだが、同じくらい有名なものに tuile vernissée がある。 tuile チュイールは瓦のこと。ルーブル美術館の隣にあるチュイルリー公園(Jardin des Tuileries)の名は、むかし瓦を製造する工場(tuilerie)があった…

大量に殺す話

接頭辞 déci- が10分の1を意味すると知り、それに関する単語も理解しやすくなった。 たとえば décilitre デシリットルは10分の1リットル。わかりやすい。 10年間のことを décennie と言う。12月は décembre である。(古ローマ暦での10月) 動詞 décimer こ…

またメシ行こう

convivialité(コンヴィヴィアリテ)という言葉を知った。枕許のプチ・ロワイヤル仏和辞典[第4版]で引いてみると「打ち解けた雰囲気,和やかさ」と出る。 「会食者」を意味する convive からできた言葉だそうだ。 こちらをプチ・ロベール仏語辞典で詳しく調…