難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

NO

空のペットボトルが机とかから落ちるとき、音といい跳ね方といい、なんであんなにムカつく感じなんだろう。ムカつくものランキングわりと上位かもしれん。

 

それはどうでもいいんだけど、今更ながらアンデシュ・ハンセン『スマホ脳』読んだ。話題になりすぎて避けていた新書。

ジョブズは子供にスマホ与えていない!スマホばっかり使っているとバカになる!スマホは悪!みたいなのがウダウダ書かれているお説教みたいな本なんだろうな、と思っていた。でも読んでみると「私たちは人間の基本設定を理解し、デジタル社会から受ける影響を認識しなければならない」とまえがきにあるように、人間ってこうだよね、だからデジタル・デバイスのこういうとこ影響受けまくりで怖いよね、みたいなのが書かれた本で、なかなかおもしろかった。

 

私は好きな人達と過ごしているとき、どうしても返さねばならない連絡や、調べなければならないことがない限り、できるだけスマホを触らないようにしている。自分がそうだからといって人に求めるのはどうかと思うが、相手がスマホを取り出してTwitterのTLを更新したり、インスタ見るのに夢中になっていると、自分と過ごす時間はそんなに退屈かなあと思ってしまう。

スマホ脳』を読んでいくと、そりゃ勝ち目ないわと諦めがつく。「何千何万という小さなドーパミン報酬を与えてくれる物体が目の前にあれば、脳は当然そっちに気を引かれる。スマホを手に取りたいという衝動に抵抗するために、限りある集中力が使われる」

 

この「周囲への無関心」の話、嫌すぎる。「授業中や仕事中でもスマホのことを忘れられないなんて、おかしいだろうか。スマホを取り出さないことに知能の処理能力を使ってしまうなんて。あまりに魅力的で、一緒に夕食を食べる仲間がつまらなく思えるほどなのだ」

しょーもな情報の洪水を浴びるのに脳が夢中になりすぎて、すぐそばにいる人の話が入ってこなかったり、一緒に過ごすのがつまんなく感じたりするの最悪だ。すっかりスマホに餌付けされてしまった私たちには、スマホを取り出さない、見ないようにするというのは難しい。「無視するというのは能動的な行為」なのだ。だけど目の前の人のことを「重要」だと思いたいじゃないですか!!なのでやっぱり私はできる限りスマホを無視する!!能動的にいこう!!

 

第9章「脳はスマホに適応するのか」から良い文を引用して終わる。

 私たちはデジタルな道具を賢く使わなければならないし、それにはデメリットがあることも理解しておかなくてはいけない。でなければ、お菓子の棚に並ぶ栄養のないカロリーに手を伸ばすのと同じくらい、無意味なデジタルのカロリーに対処できなくなってしまう。

デジタルデブになるな。スマートであれ。