難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

あるいは鉄のハインリヒ

最近、たまに見かける言葉で「蛙化現象」というのがある。あんまり意味はわかっていないのだが、どうやら悪い意味っぽい。フードコートでキョロキョロしてしまうと「うわ〜蛙化〜〜」となるらしい。多分載ってないだろうな、とは思いつつ岩波国語辞典第七版を引いてみる。載っていない。新明解国語辞典第五版にも載っていない。手許にはこの二冊しか国語辞典がない。ということで、検索してみる。wikipediaにページがあった。

蛙化現象(かえるかげんしょう)とは、好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象である。

「好きだった相手」が「生理的に無理」と思うほど逆の感情になることから、グリム童話『かえるの王さま』に例えて蛙化現象と呼ばれる。蛙化現象はノンセクシャルやリスロマンティックとは別に考えられている。

両想いだと素直にワーイ!となってしまう人間なので、正直よく分からないが、なんか複雑な現象っぽい。大変そう。それはそうと、よく見かける使われ方、「好きだったけど、こういうとこ見て急激に冷めた」って感じじゃないか。原義からズレてきている。あと、もともと『かえるの王さま』もあらすじ読んだ限りではそういう話ではないっぽい。しっくりこない言葉だ。

 

こういう言葉がふわっと流行ると、ふわっとした人たちが、「え、もしかしてこれ蛙化?!」って何でもかんでも当てはめて、SNSにイテテテが蔓延するよね。間もなくそんな言葉は忘れ去られて、当人たちケロッとしてるんだろうけど。