難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

Wille zur Macht

面白かった本の話とかしてて「俺、頭悪いからさ〜」で話をぶった切られると悲しくなる。そいつが聞く気がないのはまあ別にいいんだけど、周りもなんか頭悪い感じ出さないと意識高いっぽくなるから的な感じで、空気が完全にそっち側に傾くのが嫌だ。

それで、自分がいかにダメかみたいな自慢(?)大会が始まってしまうの本当に痛々しい。別に面白くもなんともないし、なんなら強烈な恨み辛みを感じておぞましい。ルサンチマン以外の何物でもない。

 

皆でゲームして遊んでる時に「俺、初心者だからさ〜」と言って、それとなく接待プレイしろよって圧かけてくるやついたけど、そういうの思い出した。こんなん言われると、皆は手加減するしかない。少しでもボコそうものなら「うわ〜、初心者相手に大人気ねえな!」と文句タラタラでめんどくさいし、やはりそういうやつ(=弱者)をボコるのは気が引ける。

皆それぞれゲームをやり込んで、高度なプレイを楽しみたい感じになってきても、彼はまったく上達してこない。いつまで経っても初心者のままである。彼はわかっているのだ。弱者であることを誇示していれば、なんの努力をすることもなく優位に立てるのを。

 

ああ、こういうズルさが鳥肌の立つほど嫌いだ。

なぜなら過去の私はこのタイプの人間だったから。自分の出来の悪さを盾として構えていなければ、まともに人と対峙できなかった。嫌な奴だっただろうな。人も離れていった。当然である。向上心ある人たちは、できればそんなやつとは関わりたくない。

残された弱者は、同じような弱者たちで徒党を組む。互いを高め合うわけでもなく、ただただ自分が惨めにならないためだけに、ダメ自慢をし合う。こうなればもう、救えぬものじゃ…

 

私は人に恵まれた。弱者の渦に飲み込まれてしまう前に、「そういうのダサいよ」と言ってくれる友達がいたし、知的好奇心に誘われてあれこれ学ぶ楽しさも共有できた。

だから私も、関わる人たちには積極的に「そういうのダサいよ」を言っていきたい。知的好奇心をくすぐるような話もしていきたい。力こそパワー!!