難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

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録画し続けてはいたものの一話も見られていなかった『大奥』を一気に見た。

徳川家治の時代。どんな人なのかまったくわからん。田沼意次を重用した将軍だそうだ。田沼はわかる。なんか評判悪い人。最近では再評価の流れがきているらしい。

 

主人公の倫子さま、「公家」という説明しかなかったように思うけど、後で調べたら皇族だった。東山天皇の孫、五十宮倫子。大奥でめちゃめちゃに嫌がらせ受けてたけど、そんなことあるのか。畏れ多くないのか。

ちなみに東山天皇という帝も全然知らなかったので調べてみた。最近『歴代天皇総覧』という新書を買ったのでそれを引いてみる。元禄の時代、綱吉による生類憐みの令や、赤穂浪士の討ち入り事件が世の中を賑わせていた頃の天皇で、あまり存在感はなく業績についても特筆すべきものはないらしい。了解。

 

とにかく田沼役の安田顕さんの演技がすごかった。眉毛が半分無くて気色悪かった。

田沼が「家治は実は将軍家の子ではない」という秘密を握っていて、それをネタに家治を強請り幕府の実権を思うままにしている、という設定だった。田沼は田沼で「この国をどうにかしなければならないけど、幕府にはろくなやつがおらん。わしがなんとかせねば」という思いだったのだけど、やり方が強引すぎた。結局その「秘密」もでっち上げたものだったし。

そんな卑怯な手を使わずとも、家治は田沼を重用しようと思っていた。なのに、田沼は己の才だけしか信用できなかった。悲しい人だ。

死に際の家治に託された最後の仕事もやり遂げられぬまま松平定信に追放された田沼は、廃人同然となり最期は燃え上がる江戸城で自刃する。悲しい。

 

正直あんま知らん時代の話で興味なかったけど、田沼時代について知りたくなった。来年の大河がそのあたりの時代だったな確か。楽しみ。

木像食

先週末、よく行くワインバーの秘蔵ワインを飲む会に行ってきた。店主がオーストリアで買ってきたワインや、試飲会で見つけてきたワインを楽しんだ。

13時開始だったのだけど、12時くらいに起きて急いで準備して急いで向かった。あったかい日だったので汗だくへろへろになってしまった。1杯目のスパークリングワインが最高すぎた。貴族(リヒテンシュタイン家)が造ってるワインらしい。

 

その後も貴族が造るワインが続いた。ヴィンクラー・ヘルマーデンという造り手、ヘルマーダの戦いとやらで功績を挙げ、マリア・テレジアから直々に Hermaden という名を頂いた伯爵の家系らしい。すごい。高貴な味がする。気がする。

でも「気がする」だけではなくて、今回飲んだのはゲヴュルツトラミネールだったのだけど、この品種のワインにけっこう見られるドギツさがまったく感じられなくて美味しかった。売れ線のポピュラーなワインを無理に造らなくていい余裕があるからかもしれない、と適当なことを思ったりした。

このワイン(Winkler-Hermaden 2019 Klöch Gewürztraminer)が造られているヴルカンラント・シュタイヤーマルク地域南部、スロベニア国境にも近いクレッヒという場所は、火山岩玄武岩と凝灰岩)土壌でゲヴュルツに最適らしい。

 

ワイン会の後は、寿司を食べに行った。お腹いっぱい食べたら眠くなって、帰って19時くらいには寝てしまった。貴族のワインの余韻そのままに、贅沢な一日。

NOMADO

久しぶりに映画を観に行った。『変な家』を観た。

原作とはかなり違っていた。SNSでは賛否両論あるようだ。私は賛でも否でもないかな。変な映画だった。

一箇所めっちゃビビった場面と、めっちゃ笑った場面があった。涙が出るほど笑った。あれだけで満足。

 

春休みだからかなんなのか、若い観客が多かった。それはまあいいのだけど、たまたま客層が最悪だったのか、上映中スマホの明かりが気になったり、おしゃべりが気になったりということが何度かあった。ポップコーン投げつけてやろうかと思った。2時間とかそれくらい、映画に集中しろ。

それはそうと、ポップコーン食べるタイミングってかなり気を遣う。静かなシーンでパクパク食べちゃうと迷惑かなと思い、できるだけ音がでっかいシーンで頬張るようにしている。なので、怖がらせにきたであろうバーーーーン!って感じのシーンで「いま食えるな」などと思ってしまい怖がるタイミングを逸してしまったりする。映画に集中しろ。

 

数日前、『変な家2』も読んだ。

前作よりこっちのほうが好きだな。でも今作は映画にするの難しそう。けっこう触れづらい要素が多いし、ポップに仕上がらなそう。

11の変な間取り図を見ていくと、読み進めるごとに繋がったりまだよくわからなかったり。そんで最後に栗原さんの推理が一気にくるので勢いで読み切れてしまう。

でも大事なとこに誤植があって戸惑った。「ん?どゆこと?」となってめちゃ考えたり、その先注意深く読んだりしたけど、結局なんもなかった。よね?見落としてたとかじゃないよね?シンプル誤りよね?ですよね栗原さん。

捨松

最近部屋の片付けばかりしている。ゴチャついていたところが整頓できていくと嬉しい。

一度「捨てるぞ」となると案外ポンポン捨てられる。でも本はなかなか処分できないんだよな〜。でっかい本棚を買いたい。

 

堀田隆一『英語史で解きほぐす英語の誤解』読んだ。

YouTubeチャンネル「いのほた言語学チャンネル」の堀田隆一先生が著した英語史の入門本。「英語、意味わからんすぎ」な部分がなぜそうなったのか、その歴史を知ることで納得していく。全部が全部すっきり納得できたわけではないけど、なんとなく英語の意味わからん部分を愛らしく思えるようにはなったかな。

 

以前、角川ソフィア文庫の『英語の謎』を読んだときには、そんな風に思わなかったから不思議だ。タイミングもあるのだろうか。

そういえばもっと前、大学生のときに授業で寺澤盾『英語の歴史』読んだけどこれもまったく入ってこなかった。英語さんのこと、理解するつもりがこれっぽっちもなかったのかもしれない。あの頃は英語のことが嫌いで嫌いで仕方なかったから。

 

それでも時が経つと「あいつと向き合ってみるか」と不思議と思えたりするものだ。「意外とこういうやつだったのか」とおもしろがれる日が来る。なので読まなそうな本も簡単には処分できない。後輩に譲ってしまった『英語の歴史』を、今では読みたくてたまらなくなっているから。

pichaRRR

土日はずっと雨だった。土曜、昼から商店街へお出かけ。いつもなら颯爽と自転車で向かうが、傘さしてトコトコ歩いて行った。

悪天候にも関わらず、街は賑やかだった。音楽イベントが開催されていたようだ。ロック好きな感じの人たちで溢れかえっている。小さな個人経営の本屋さんにもたくさんのお客。すごい。これだと夜は居酒屋とかめちゃ混むだろうな〜と思いながら、混雑地点から遠ざかる。

骨付き鳥が有名な店で遅めの昼ご飯。大好物、久々に食べられて嬉しい。昼から飲むビールも最高。

 

腹ごしらえが済んだら、行きつけの角打ち酒屋へ向かう。転勤でわが街を去ってしまった友人から「土曜そっちに遊びに行くのでいつものとこで飲もう」と誘われていたのだ。

久々に再会した友人は、なにも変わっていなかった。いや、少し変わっていたかな。以前は「苦手だ」と言っていた日本酒が飲めるようになっていた。私も最近かなり日本酒を飲むようになったので、さっそく一本買って乾杯した。近況報告や思い出話、その他あれやこれや雑談をしているうちに、四合瓶はすぐ空になった。

 

以前はこういうことをワインでやっていた。変わるものと変わらないもの。

その後数軒はしごして泥酔状態になった友人を宿まで送ろうとしたが、途中のコンビニで「ここで大丈夫だから」と言われた。これも以前と同じだ。数え切れない回数いっしょに飲んだし、家の方向いっしょだったのに、家まで送ったことがない。あのときのように「ほなまた!」と別れた。

無事帰れたか知らんけど、またいつものとこで。

gagaga

NHKオンデマンドで『真田丸』を一気見したのち、続いて『山河燃ゆ』を見始めて、先日見終わった。1984年の大河ドラマ。これまで見た中で一番古い。

第二次世界大戦を扱ったもので、山崎豊子『二つの祖国』が原作。ちょっと前に小栗旬主演でスペシャルドラマをやっていた。見よう見ようと思って結局見なかったやつ。二夜連続で長かったから。なのに全51話の方を見るという。

 

アメリカ生まれ日本育ち日系二世の主人公が、日本でもアメリカでも酷い扱いを受け、それでも懸命にまっすぐ頑張り続けるんだけど、ずーーっと上手く行かず、最終的には死を選ぶ、という感じの、いったいなんだったんだ……ってドラマだった。

まあでもこの戦争自体が「いったいなんだったんだ」って感じだよね。「なんだったんだ、しょうもな」で終わりでいい。なのに最後までクソ真面目に向き合った主人公、可哀想だ。なんやねんこれってものにまっすぐ向き合う必要はない。

 

その点、沢田研二演じるチャーリー田宮は柔軟だと思った。権力にしがみついて、戦時を上手く生き抜いた。結局こういう人がストレート勝ちしていっちゃうんだよな世の中。友達とか家族にめちゃくちゃなことしてるのに「なんか憎めない」みたいなキャラだから交友も途絶えないのすごい。周りがいい人たちすぎるのか。

 

こういう人のが生きるの上手いよな〜とかわかるんだけど、なかなかそうは生きられない。こうすりゃボロ勝ちできる、ってわかってても「いやでもその手はあまりにも……」と思って引っ込めちゃう。

なぜなのか。勝ちロードをひた走る度胸がないのかもしれない。しんどそう。そういうことを考えるとチャーリーの人生も味わい深い。孤独に走り続けてたんだな。生きるのに上手いも下手もない。

Seiko

最近これといって書くことがない。いや、あるにはあるのだけど上手くまとまらなくて、下書き→削除になりがち。思考がぐちゃぐちゃになっているのかもしれない。とにかく書かないことにはまとまってもいかないので、何でもいいから書く。

 

先週からジョギングを再開した。以前は一日おきくらいにやっていたのだけど、寒いだのなんだのでしばらくやっていなかった。人間は油断すると怠ける生き物である。再開した理由としては、冬が終わろうとしているからで、そうなると薄着になっていくわけで、怠けに怠け膨れ上がった恥ずかしボディを隠しきれなくなる。それが嫌だからだ。

私はTシャツが好きで、色々なデザインのものを集めている。なかなかこだわって買っているつもりなので、どれもめちゃ気に入っている。なのでいい感じに着こなしたい。せっかくカッコいい、またはカワイイTシャツなのに、体型のせいで残念な感じになってしまうのが嫌なのだ。すっきりさせるぞ。

 

やっぱりジョギングは良い。このくらいの運動はしとかないとダメなんだろうな。走り終わったあと、気分がいいし頭もよく回る。日記また書こうという気が起きてきたのもジョギング効果かもしれない。

 

先週末、コロナ以前に数回行ったことのある個人経営の本屋さんを覗いてみた。特に理由はないのだけど、なんか行きにくくなって、気づいたら数年行ってなかった。そういうのありませんか。

探していた本は売り切れで無かったのだけど、いろいろ見ていると面白そうな本がいっぱい見つかった。あれもこれも欲しいが、一気に買っても仕方なし。余裕もなし。一冊だけ買う。他のはまたの機会に。

 

街ブラしててこういう素敵な本屋さんにフラッと立ち寄れるのは最高だ。いい街に必要なのはいい本屋。あとのんびりできる公園。ぼーっとできる川。わが街は海に近いのだけど、海辺はあんまり落ち着かない。やっぱ川ですよ。

その本屋さんから歩いて数分のところに市民憩いのでっかい公園がある。道中にケバブ屋さんがあるから、本買ってケバブ買って公園でゆったり読書みたいな休日もアリだ。文化すぎる。はやく暖かくなって欲しい。文化をするぞ。