難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

えびすくい

12月なのにこんなにあったかいの異常だよな、とか話していたら、この週末急に寒くなった。毛布を出さねば。冬本番。

忘年会で鍋もつついた。冬すぎる。馴染みの面々と美味しいもの飲み食いしながらボードゲームで盛り上がっちゃったりする時間、いつまで経っても大好きだな。UNO公式ルールで初めて遊べて嬉しかった。

 

ついに最終回、『どうする家康』見た。

乱世を生き抜き、長い戦の果てに太平の世を成し遂げ「神」となった徳川家康という「人」の物語。

最後に鯉の思い出話が挿入されるの良かった。そうそう、家康ってそういう人なんだよ。天が遣わせた神の君でも、狡猾で恐ろしい狸でもない。信長から贈られた立派な鯉を食べたくてたまらない家臣たちからドッキリ仕掛けられちゃうような人。なんだかんだ皆から厚い信頼を寄せられている人。平八郎が言うように、皆よくわかっているのだ。家康という人を。

後世ではすっかり神になってしまった。私もやはり徳川家康といえば「神君」だとか「狡猾な狸」のイメージを持っていた。でも今作を見て、少し印象が変わった。この人のことが少しわかったような気がする。いい大河だった。

 

北川景子の演技も圧巻だった。燃え上がり崩れゆく大阪城で皆の自決を見届け、己も乱世とともに散ろうとする茶々。彼女が残したこの先の世に対する台詞は、現代社会に生きるわれわれにも痛切に響く。

日の本か。つまらぬ国になるであろう。正々堂々と戦うこともせず、万事長きものに巻かれ、人目ばかりを気にし、陰でのみ妬み嘲る。やさしくて、卑屈なか弱き者たちの国。

己の夢と野心のために、なりふり構わず力のみを信じて戦い抜く。かつて、この国の荒れ野を駆け巡った者たちは、もう現れまい。

茶々なりの正義と、乱世の夢。身に迫る炎よりも遥か遠くを見つめ、笑みを浮かべる。最後の亡霊はここに滅びた。われわれの前には、確かにもう現れまい。

 

壮絶なシーンだけでなく、小ネタも良かった。ゲスト出演の小栗旬源頼朝について言及したり、そのとき吾妻鏡の上に源氏物語が重ねられていたのもニクい。というかいま気づいたけど最終回サブタイトルの「神の君へ」、来年の『光る君へ』に繋げてるじゃん!すご!

次作も楽しみだね。ということで寝ましょうね。こんだけ書くのに時間かかりすぎだからね。寝ますね。