難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

(海苔の枡)

TSUTAYAで本を見ていたら、大学生くらいの女性ふたりがそこそこの声でなんか喋っていた。本好きっぽいAと、まったく読まないっぽいBの会話、弾まなすぎて気になってしまった。

Aが「これおもしろかったよ」と一冊手に取る。Bは「へーー、知らなーい。本とか読んでる時間なくて」と返す。Aは「電車とか何かの待ち時間にちょっとずつ読んでも意外と暇つぶしになっていいよ」と勧めてみるも、Bは「私さー、外で本読むの無理で。音とか人の気配とかで集中できないんだよね」と跳ね返す。Aよ、この時点でもう諦めたほうがいい。そいつ興味の欠片もないから。

 

なのにAはBに本の話をし続ける。「Bって料理するよね。こっちにレシピ本あるよ」「あーーレシピ本ね。ああいうの何か味の想像がついちゃって。そうなると作る気なくなるんだよね」なんなんだお前は。天才料理人?この世のすべてのレシピをマスターした女?作る気なくしちゃったお前を奮い立たせるために世界中の料理人が究極のレシピを持ち寄って競い合う物語とか始まるんかい!

 

そんな伝説の料理人Bに、今度はハリー・ポッターの話をするA。当然読んでなどいないB。「分厚くて無理」とかなんとか言っていた。するとAは「映画は見た?」と訊く。「あー、私さぁー、映画とかドラマとか見なくてー」と一蹴するB。もうこいつと話すことねえよ。なんで一緒にTSUTAYA来たんだよ。

その後も名著をマンガで読破!みたいなシリーズ「これわかりやすくていいよ」と紹介して、「私ってさ、そういう本格的じゃないもの好きじゃないんだよね」と却下されてたり。どの本の話か知らんが本格的な原著なんて一生紐解かないだろお前は。分厚いよ、多分。というかAもAで諦め悪すぎ。最悪の三井か。

 

あれイヤこれイヤ聞きすぎて具合悪くなってしまった。『イエスマン』借りて帰ろうかなと思ったけど、ネトフリで配信してたのでやめた。

帰ると宇多田のベストが届いていた。嬉しすぎる。聴きながらこれを書いている。『traveling (Re-Recording)』良すぎなので全人類聴いてください。

 

B「あー私ってさー、新録よりオリジナル派なんだよねー」