難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

言葉

湿気の所為なのか、弦楽器のチューニングが狂いやすい。

人間もそうかもしれない。雨が続いて、気分が落ち込んでいる。いや、それだけの問題ではないか。ここ最近色々とあって元気が出ない。

 

私はお手伝いロボットではなく、いちおう感情を持った人間なので、心ない言葉に傷ついたりもする。なんなら、人一倍そういうのには弱い。私にとってはなかなかキツい言葉をいくつか投げつけられて、滅入ってしまった。

言葉はいつまでも重くのしかかる。私というぐにゃぐにゃな存在の形を変えてしまう。仮に「愚鈍」だと言われれば、そのように。

 

動じないほど泰然でなんていられなくて、でも激高するのもバカらしくて、とりあえず外に出た。小雨の降る夜道を、とぼとぼ歩く。せめてもっと強い雨だったらイイ感じなのにな〜なんて。ドラマの見過ぎですね。

 

思うことをゆっくりと、自分の中でブツブツ纏めながら歩く。

なんとなく落ち着いてきた頃に、ちょうど話したいなってタイミングで電話がくる。頼れる人が話を聞いてくれた。心の支え。うれしい言葉もたくさんくれた。スピッツの『大好物』という曲の歌詞を思い出す。「君がくれた言葉は 今じゃ魔法の力を持ち 低く飛ぶ心を 軽くする」

 

言葉は、私というぐにゃぐにゃな存在に大きな翼を生やして、軽快に羽ばたかせる力も持っている。