難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

ゾンP

『らんまん』第24週見た。南方熊楠、書簡だけなのに不気味な存在感。登場はしないんだろうか。まあ必要なさそう。それより早川逸馬さん!生きてた!万太郎との再会アツかった。今週、再会と別離とがあって、回想多めだったけど、それだけもう終盤ってことだよね。寂しい。綾姉ちゃん、だんだんとお婆ちゃんに似てきた。酒造り再挑戦がんばってほしい。あーー終わっちゃう!寂しいって!!


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万太郎と綾姉ちゃん、それぞれが進む道に後悔がないように指切りげんまん。それを武雄が包み込む。いつかの橋の上での誓いを再び。今度は、お寿恵ちゃんも一緒に。泣ける。良すぎるぞ。

 

小林泰三『幸せスイッチ』読んだ。

小林泰三氏、中学校のとき『玩具修理者』読んで面白かったのがきっかけでけっこう読んでいる。好きな作家さんだ。2020年に亡くなったと聞いてショックだった。今回読んだ短編集は、初版1刷2015年らしいが、2刷が2023年8月25日発行になっていて、それが某蔦の書店で表紙を新たにイチオシとして展開されていた。

最初の「怨霊」が怪異と怪異をぶつけるバカバカしさ満載のおもしろ短編だったのだけど、それ以降がずーっと邪悪だった。「勝ち組人生」は守銭奴への強烈な皮肉。果たしてなにが勝ち組、なにが幸せなんだろうね。げんなりする。「どっちが大事」は、よくある「私と○○どっちが大事なの?」を死ぬほど極端にしたやつ。これが一番嫌な話だったかも。一刻を争う病状の子供を搬送する救急隊員に母親がムチャぶりしまくる「診断」もめちゃくちゃ嫌だった。誰が何を言おうと自分の論理を貫き通す人、怖すぎる。あと救急隊員には診断をくだせる権限がない、というのがよくわかりすぎるほどわかった。整体師さんとかもこの権限ないから困ったりするらしいね。表題作「幸せスイッチ」は、同著者の過去作「人工脳髄」を思い出した。ほんとにね、幸せってなんなんでしょうね。理屈はどうあれ私はスイッチじゃなくて欲に突き動かされて美味いもん食べたり親しい人と抱き合ったりしたときに幸せを感じたいよ。たとえ苦痛を背負おうとも。最後の短編「哲学的ゾンビもしくはある青年の物語」に至ってはもう、意識ってなんなんだ。人間とは。存在とはなんなんだーー。ってなる。

寝る前に一気読みしてしまったのだけど、嫌な夢見そうだったから他の本もちょい読みしてから寝ることにした。最悪だったけど読んじゃうんだよね。やっぱり好きな作家さんだな。昔のも読み返そう。